30代に入るとマネジメント職への打診が増えてきます。コーディングが好きだという理由だけで、技術力を磨いて専門性を高めてもスペシャリスト職にとどまっている限り、徐々に市場価値が落ちてきます。それは、学んでいる技術の陳腐化、AI技術の台頭などが起こっているからです。これにより言えることは、1つの技術だけ極めていると、技術力頼みだけになり、技術の陳腐化やAIに対抗できずに市場価値が下がるということです。
そこで、今回の記事では「技術力だけの35歳で終わらないために。市場価値を1.5倍にする『プラスα』の掛け算」をテーマに簡潔に見ていきたいと思います。
1.なぜ昔は「35歳限界説」が出たのでしょうか。

〇若手エンジニアの方が採用されやすいからです。
若手エンジニアは給与が安くて、また、若さから体力と柔軟性が充実しているので、学習速度が速いです。こういった理由から若手エンジニアは顧客企業が欲しがる人材だと言えます。ですが、AI時代の到来により、プログラミングの仕事をAIに取られてしまう可能性も出てきました。
一方、35歳以上のシニアエンジニアは、年齢が高いため体力と柔軟性が落ちてきているので、AI時代が来る前は採用を敬遠されていた時期もあります。しかしながら、AI時代がきてコードレビューができる能力が重視されるようになったため、35歳以上のシニアエンジニアの採用も増えました。
〇スペシャリスト職の年収が頭打ちして、将来の住宅ローンや教育費、介護、自分の老後資金に不安を感じています。
マネジメント職は給与が良いです。それに比べて、スペシャリスト職は企業内で報酬の評価制度が作成されていないことが多いため、金銭的な評価に結び付きにくい傾向があります。そのため、スペシャリスト職にこだわる場合は、将来の住宅ローンや教育費、介護、自分の老後資金に不安を感じてしまいます。
〇技術の陳腐化が起こります。
今、35歳以上のエンジニアがプログラマだった時に学んだ技術が、AIの台頭などにより陳腐化してきています。ですので、新しい知識を積極的に学習しなければなりません。
〇管理職(マネジメント)への打診が増え、コードを書く時間が減る。
35歳になると、プログラミングはAIと若手エンジニアに任せて、マネジメント職への段階的なシフトを求められます。ですので、スペシャリスト職を選択しない限り、コードを書く時間が減ります。
〇AI時代の到来で、評価軸が変わりました。
AIが台頭してくるまでは、プログラミングの速さと正確さが、エンジニアが優秀かどうかの評価軸として重視されました。しかしながら、AI時代に突入すると、AIが人間の何倍も速い速度で、プログラミングをするようになりました。ですので、AI時代に人間に求められる能力としては、コードを評価する「コードレビュー」にシフトしています。
参考出典:
note note 生活を豊かにする情報局 ACT HOUSE
2.技術の掛け算で、現場で重宝されるエンジニアになりましょう。

1つの技術を100%極めるのは天才にしかできません。一方で、複数の技術を80%くらいの習得で活用していくことは、大変ですが努力をすればできます。この「複数の技術を極めて現場で重宝されるエンジニア」とは、どういった人物なのでしょうか。noteの記事を一部引用して、現場で重宝されるエンジニアについて見ていきます。
〇【Webサービスを把握して即応するオールラウンダー】フロントエンド × バックエンド
・主な技術: TypeScript, Next.js / Nuxt.js, Node.js / Rails, PostgreSQL
・強み: 画面の動きからデータベースの処理まで、Web開発のすべてをカバーします。
・重宝される理由: チームのボトルネック(作業の滞り)をどこでも解消できるため、開発チームの潤滑油として機能します。
〇【システム開発が成功する】「UI/UXデザイン」×「フロントエンド実装」
・主な技術: Figma/ Sketch/ Canva/ Adobe XD/React/Next.js
・強み:UXの設計からフロントエンドの実装までを1人でできます。
・重宝される理由:システムのUX設計から1人でフロントエンドまで実装できます。ですので、コンセプトがぶれないシステムを1人で開発できるので重宝されます。
〇【コンプライアンスの達人】「技術力」×「データガバナンス・法規制」
・主な技術:プログラミング言語全般、法律知識(AI規制法、個人情報保護法など)
・強み:法令順守でシステムやアプリを開発できます。
・重宝される理由:法律知識を持ち合わせているので、企業内弁護士とも対等に打ち合わせができます。
〇【IT技術を持ったビジネスマンになる】「データサイエンス」×「ビジネスドメイン(マーケティング/財務)」
・主な技術:プログラミング言語全般、統計学、データ分析能力、
・強み: データ分析能力を駆使して企業の売り上げを伸ばす方法、コスト削減の方法を生み出します。
・重宝される理由:IT技術を活用してお金を生みだすことができます。
〇【アプリ開発が爆速でできる】「バックエンド開発」×「クラウドインフラ(AWS/GCP)」
・主な技術: IaC(Infrastructure as Code)、コンテナ技術(Docker、Kubernetesなど)
・強み:アプリ実装だけではなく、インフラ環境の最適や構築ができます。
・重宝される理由:アーキテクト、テックリード枠として重宝されます。
〇【スマホ向けのサービスの職人】モバイルアプリ(Flutter/React Native) × バックエンド
・主な技術: Flutter / Swift, Node.js / Go, Firebase / Supabase
・強み: ユーザーが触るアプリから、裏側のAPIデータ連携まで一気通貫で開発できます。
・重宝される理由: モバイル中心のスタートアップや新規機能開発において、仕様変更に最も柔軟かつ高速に対応できます。
参考出典:
3. AI時代に35歳のシニアエンジニアの価値を上げるためには

35歳という節目の年齢に加えて、昨今ではAI時代が到来したと言われています。ではどうすれば、AI時代に35歳以上のシニアエンジニアの価値が上がるのでしょうか、その理由を簡潔に考察していきます。
〇ジュニアエンジニアを教育・育成しましょう。
スペシャリスト職を選んだシニアエンジニアに課せられる仕事として、ジュニアエンジニアを教育・育成する事が挙げられます。開発現場において、自らの経験を伝えたり、正しい報連相のやり方を教えたり、また、育成が進んできましたら、正しいコードレビューのやり方を教えたりして、ジュニアエンジニアを教育していくことが求められます。
〇シニアエンジニアほど、生成AIを正しく使いこなせます。
シニアエンジニアは、仮に大学を卒業した場合、35歳まで12年間開発現場でコーディングを経験してきています。この実務経験があるからこそ、生成AIを正しいプロンプトで動かすことができます。これは実務経験が浅いジュニアエンジニアにはできないことです。
〇チームマネジメントを行いましょう。
工程ごとのチームを取りまとめ、メンバー全員が効率的にコーディングできるように働きかけることをチームマネジメントと言います。このチームマネジメントをチームリーダーが行うことにより、生産性が高まります。このチームマネジメントを行う時にはコミュニケーション能力が重視されます。
〇シニアエンジニアは10年以上の経験により上流工程における要件定義を詳細に決定することができます。
生成AIがコーディングをしてくれるため、コーディングを主とするプログラマの仕事が減ってきました。その代わりに、上流工程でどんなアプリやシステムを作るかの要件定義(ユーザーのニーズを整理して、システム開発で作るものを明確にすること)をPM(プロジェクトマネージャー)である、シニアエンジニアが行います。ですので、開発現場における経験がものを言うトレンドが出来上がってきました。
〇ドメイン知識を持ち合わせましょう。
例えば、医療分野のシステムをコーディングする際には、オンライン診療、電子カルテ、AIによる画像診断などのドメイン知識(特定の分野において業務領域や専門分野に特化した深い知識や経験)を持ち合わせている必要があります。ITエンジニアで、ドメイン知識を持ち合わせている人が少ないので、希少価値がある人物として市場価値も上がるでしょう。
〇技術的リーダーシップ(テクニカルリーダーシップ)を取りましょう。
技術的リーダーシップ(テクニカルリーダーシップ)とは、リーダーとしてのスキルと、高レベルでのプログラミングの能力を掛け合わせた能力のことです。高レベルでのプログラミング能力があるため、「技術の問題」と「クライアントからビジネスで求められる成果」とのギャップを埋めることができます。それにより、開発しているシステムやアプリに新しい価値を持たせて、ビジネスや社会に革新を起こすことができるようになります。
〇生成AIが作成したコードをコードレビュー(コーディングを評価)できるスキルがあります。
生成AIがコーディングしたコードを、安全性、品質、パフォーマンスなどの分野ごとに正確に評価できるスキルを、シニアエンジニアは持ち合わせています。生成AIの台頭により、シニアエンジニアに求められる役割が変化したことで35歳限界説などが当てはまらなくなりました。経験を重ねているシニアエンジニアの方がジュニアエンジニアより有利になってきたと言えるでしょう。
〇シニアエンジニアは必要不可欠な存在です。
シニアエンジニアは、長年の経験により、生成AIに正しいプロンプトができる、正しいコードレビューができるなどの強みがあるので、生成AI時代において必要不可欠な人物だと言えるでしょう。
参考出典:
生活を豊かにする情報局 note HR大学 Click Up
まとめ

今回の記事では、「技術力だけの35歳で終わらないために。市場価値を1.5倍にする『プラスα』の掛け算」について簡潔に見てきました。生成AIやAIエージェントの台頭により、コーディングだけをするというプログラマや、プログラミングだけを極めたスペシャリスト職の仕事が減ってきています。そこで、市場価値を上げる方法について簡潔に見てきました。少しでも読者の皆様のお役に立てれば幸いです。今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました。