ChatGPT APIとは
OpenAIはサム・アルトマンやイーロン・マスク氏によって設立された非営利団体の研究機関であり、人工知能に関して世界最先端の技術を誇っています。ChatGPT APIはOpenAIが開発した対話型のAIチャットボットを外部から利用できる仕組みです。
APIで何ができるのか
API(Application Programming Interface)はサービスを外から利用できる仕組みであり、自分のサービスに他のSNSの機能を追加したり、他のWebサービスやデータベースとの連携を可能にします。
OpenAIのAPIの特徴
OpenAIのAPIでは指定した文章や画像を生成でき、他のAPIサービスと比較すると自然言語処理の精度が非常に高く、カスタマイズのできる柔軟性が特徴だと言えます。
ChatGPTは正式にはGPT-3(Generative Pre-trained Transformer 3)のことを指し、これは約45TBの大規模テキストデータセットを事前に学習し、パラメータ数が1750億個ある言語モデルです。
人とAIの見分けがつかないほどの会話が可能で、実際にアメリカの司法試験では上位10%の成績を修めたと報告されています。非営利団体であるOpenAIが提供するAPIであるため、料金は可能な限り低いことも特徴の1つです。
ChatGPT APIの始め方
APIを利用するためにはOpenAIのサイトでアカウントを開設し、API Keyを取得する必要があります。下記URLにアクセスし、メールアドレスを登録することでアカウントを作成しましょう。
アカウント開設にはメールアドレス以外にも、Google, Microsoft, Appleのアカウントでも行えるため、どれか1つを選択します。パスワードに加えてサイトに記載された項目(氏名, 生年月日, 電話番号など)を入力し、SMS認証を行います。
次にAPI Keyの取得を行いましょう。下記URLにて、アカウントのログインを行います。
このサイトではAPI Keyの作成や削除、上限の設定などが可能です。まずは画面中央にある「Create new sercret key」というボタンをクリックしましょう。すると次のように名前を入力するように求められますが、任意なため、入力せずに「Create secret key」ボタンをクリックして構いません。
すると半角英数字の文字列が表示されます。これがAPI Key(sercret key)ですので、忘れずにコピーしてメモを残します。API Keyを他人に公開すると悪用される可能性があるため、注意して管理しましょう。
ChatGPT APIの料金体系
APIでは複数のモデルが利用でき、それぞれ性能や品質に差があります。一般的に利用される言語モデルに関する料金体系に注目して確認してみましょう。
詳しい料金体系はOpen AIのPricing(https://openai.com/pricing)で確認できます。
OpenAIのAPIのトークン数
APIの利用料金は文字数ではなく、トークンあたりに発生します。
トークンとは単語や句といったテキストデータを分割する最小単位のことで、言語によってカウント方法が異なります。
言語 | 1トークン |
英語 | 1単語(one word) |
日本語 | 約ひらがな, 漢字1文字 |
具体的な文章でトークン数を調べてみたい方はOpenAIのPlayground(https://platform.openai.com/playground?mode=complete)で文章を入力すると右下にトークン数を確認できます。
画像の例では1文字あたり、1.4375トークンが発生しました。
例として、GPT-3の中でも高性能な言語モデルであるtext-davinci-003の料金に関して具体的な計算をします。text-davinci-003では1000トークンあたり$0.02(約2.86円)なので、先ほどの文章では0.0041円発生します。OpenAIのAPIではアカウント開設時に期間限定で無料の利用量が追加されるため、この期間にAPIの利用を試してみましょう。
「言語モデルの利用料金一覧」
モデル名 | input(1000トークンあたり) | output(1000トークンあたり) |
GPT-4 8K context | $0.03 | $0.06 |
GPT-4 32K context | $0.06 | $0.12 |
Chat 4K context | $0.0015 | $ 0.003 |
Chat 16K context | $0.003 | $0.004 |
対応できるテキスト量やモデルの性能によって料金は異なるため、使用目的に応じて最適なモデルを選択してみましょう。一般的に日本語での入力よりも英語での入力の方が料金が安く、性能も少し高いとされています。
ChatGPT APIの使い方
APIはプログラミング言語で呼び出すことが可能です。
APIの利用方法は公式ドキュメント(https://platform.openai.com/docs/api-reference)を参考に実装することで、最新の適切なプログラムを記述できます。
基本的な言語モデルAPIの使い方について、具体的なプログラムと実行例を見てみましょう。
Pythonプログラムでの例
最もシンプルなAPIの利用例として、text-davinci-003という言語モデルに「人生で最も大切なものは何か」を聞いてみます。
AIからの応答(generated_text)では「人生において最も重要なことは、自分自身、友人や家族、そしてより広いコミュニティとの関係とつながりである。」との応答が得られました。
このリクエストではengineにモデル名、promptに指示、max_tokensで応答の最大トークン数が引数です。openai.api_keyには取得したAPI Keyを入力しましょう。
また、アップデートによりAPIを関数として扱えるFunction callingという機能が追加されたため、今後もさらに扱える範囲が広がることが予想されます。
様々なサービスに応用
OpenAIのAPIは簡単に高品質の文章や画像を生成できるため、さまざまなサービスやアプリに応用できます。カスタマーサポートではGPTモデルを利用してユーザーからの質問に対して回答したり、FAQの生成を自動化できます。
コンテンツの作成においても、文章を言語モデルに生成させ、その文章に基づいた画像を生成することで絵本を簡単に作ることができます。他にも、言語モデルは教育プログラム内で教材制作の補助や質問対応を担当可能です。
ChatGPT APIの注意点
非常に便利なAPIではありますが、注意点がいくつかあります。
無料期間外では有料なため、利用量を確認する
トークン数の制限があり、一度に膨大なテキストは対応できない
差別や誤った情報など、不適切な文章生成が起こり得る
個人情報や機密情報は送信しない
利用制限はUsage limits(https://platform.openai.com/account/billing/limits)で設定できるため、不安な方は是非こちらのサイトで設定しておきましょう。これにより、予算を超える可能性がある場合に警告を受けることができます。
まとめ
OpenAIが提供するChatGPT APIの特徴として、高品質な自然言語処理と画像生成などが低価格で実現でき、さまざまなサービスに応用できることが期待されます。利用するモデルによって料金体系は異なりますが、公式サイトにてトークン数での確認を行い、料金を想定してAPIを利用しましょう。
ChatGPT APIを応用することで、カスタマーサポート, 教育補助, コンテンツ作成など、様々な開発が可能です。APIの柔軟性と高度な自然言語処理能力を活用し、ユーザーとの対話やテキスト生成を可能にします。
概要と利用方法、応用や注意点について正確に理解することで適切にサービスやアプリにAPIを利用できるでしょう。実際にAPIをリクエストしてどんなことができるのかを調べることをおすすめします。