目次

はじめに

今回の記事では、1. ITエンジニアのスペシャリストとは、2.ITエンジニアのスペシャリストの職種、3.ITエンジニアがスペシャリストをめざすメリット、4. ITエンジニアがスペシャリストをめざすデメリット、5. ITエンジニアのスペシャリストが活躍できる環境とは、について詳しくみていきたいと思います。最後までお付き合いいただければ幸いです。

1.ITエンジニアのスペシャリストとは

・定義

スペシャリストとは、Goo辞書によると「特定分野を専門にする人。特殊技能をもつ人。専門家」のことです。IT業界においては、セキュリティ、アプリケーション、ネットワーク、データベースなどの様々な分野の中で特定分野における専門的なスキル、知識や経験を持っている人のことを指します。その特定分野においては、専門領域の開発業務を担当することが多く、開発チームのキーパーソンとなりえる人のことです。ただし、スペシャリスト1人だけではシステムを構築することはできませんので、他のスペシャリストやゼネラリストたちと協力していく必要があります。ですので、スペシャリストにはコミュニケーションスキルも求められます。

・ゼネラリストとの違い

ゼネラリストとは、Goo辞書によれば「いろいろな分野の知識や能力をもっている人」のことです。戦後の日本企業においては、終身雇用が前提でしたので、色々な部署を数年経験させるジョブローテーションを取り入れて、幅広い知見や能力を持つ、総合力のある人材であるゼネラリストを育成していました。こうしたゼネラリストは、一定程度のスキルを身に着けた後は、管理職やリーダー職につきマネジメントを

行います。

参考出典:

ProEngineer

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Geekly Media

厚生労働省 多様化する労働契約のルールに関する検討会

Goo辞書

2.ITエンジニアのスペシャリストの職種

・フロントエンドエンジニア(WEBエンジニアの1つ)

フロントエンドエンジニアとは、ユーザーが目にするフロント部分を構築し保守するエンジニアのことです。ここで言うフロント部分とは、UI(ユーザーインターフェース)やWEBサイトやアプリの見た目のことです。もっと具体的に言うとログイン画面、ホーム画面など、ユーザーが直接操作できる部分を、フロントエンドエンジニアが構築しています。スタート画面の使い勝手などで、クライアントやユーザーなどから意見をもらった場合、それを修正するのがフロントエンドエンジニアの責任になります。

・バックエンドエンジニア(WEBエンジニアの1つ)

バックエンドエンジニアとは、WebサービスやWebアプリケーションなどにおいて、ユーザー側からは見えないバックにあるサーバーサイドの設計、開発を行うエンジニアのことです。具体的には、プログラム開発、データベースの導入、構築、運用、セキュリティ対策、APIの開発などを行っています。

・サーバーエンジニア(インフラエンジニアの1つ)

サーバーエンジニアとは、サーバーをゼロから構築・設計し、保守、運用するエンジニアのことです。サーバーは24時間365日の連続稼働しているので常時注意を払う必要があります。また、サーバーは他のサーバーやネットワークと連動させているため、幅広いIT知識、技術知識、スキルが求められます。

・データベースエンジニア(インフラエンジニアの1つ)

データベースエンジニアとは、様々なデータを保管、管理をしているデータベースの開発や設計、保守、運用などを行うエンジニアのことです。データベースエンジニアは、専門の言語である「SQL」のスキルが必須となります。

・ネットワークエンジニア(インフラエンジニアの1つ)

ネットワークエンジニアとは、ネットワークの設計から構築、監視、保守、運用などを行うエンジニアのことです。ネットワークエンジニアはインフラを担当するエンジニアです。ですので、ネットワークのスイッチ、ルーター、サーバーなどの機器に対してネットワーク設定をする仕事も行っています。

・クラウドエンジニア(インフラエンジニアの1つ)

クラウドエンジニアとはクラウドサービスを活用して、システムの設計・構築・保守・運用などを行うエンジニアのことです。クラウドはITにおけるインフラ環境としても機能しているため、ネットワークの整備、クラウド環境上のサーバー設計・構築などのインフラを担うことで現場をサポートするのが主な仕事です。

・セキュリティエンジニア

セキュリティエンジニアとはITセキュリティに関する専門職のエンジニアのことです。セキュリティ重視のシステム設計、構築、運用、さらにはサイバー攻撃を防ぐなどの業務に従事しています。企業の従業員に向けたセキュリティ研修の実施、ITセキュリティマネジメントの仕組みづくりなども業務の対象です。これらを実施することで、1日に200万個誕生しているといわれている、様々な脅威に対して対抗することができます。

・システム保守

システム保守とは、故障や不具合などのイレギュラーなトラブルに対応するために、システムを調整、改修、修理するメンテナンス作業のことです。具体的には、システム障害の復旧作業、システムの不具合や故障の原因究明、ハードウェアの故障部品の交換などの業務を担当しています。

・システム運用

システム運用とは、ユーザーが何のトラブルもなく毎日システムが使えるようにするため、システムの管理や監視を行う立場の担当者のことです。未然にシステム障害を防ぐために、データのバックアップ、不正アクセスやウイルスの監視、稼働状況の監視、決まった時間におけるデータ入力、サーバーを起動・停止させる、情報の管理などの業務を行っています。

・WEBデザイナー

Webデザイナーとは、クライアントから依頼されたWebサイトのデザインを担当・制作するというお仕事です。その業務内容は、クライアントのニーズの調査・分析、クライアントへのヒアリング、UIやUXの設計・制作、プログラミング、コーディングなど多岐にわたっています。

・プロジェクトリーダー(PL)

プロジェクトリーダーとは、案件対して自らが有する技術的な専門知識やスキルを活用して、チームを統率、指揮する役割の人のことです。すなわち、プロジェクトリーダーとは、プロジェクトチームの現場責任者として、システム構築、ソフトウェア開発の現場でのリーダーというポジションになります。

プロジェクトメンバーの特性を理解して、お仕事をお願いする立場ですので、プロジェクトリーダーには、リーダーシップやコミュニケーション能力が求められます。さらには、プロジェクトリーダーには進捗具合の確認や、システムの品質管理などが求められます。

・プロジェクトマネージャー(PM)

プロジェクトマネージャーとは、システム開発プロジェクト全体にわたる管理責任者のことです。プロジェクトの目標達成のために、人的リソース、物的リソース、金銭リソース、情報リソースなどを管理して、必要な意思決定を行っていきます。つまり、マネジメントを担う中心人物として、プロジェクトの進み状況をプロジェクトオーナーに報告する役割も担っています。

参考出典:

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3.ITエンジニアがスペシャリストをめざすメリット

・即戦力の能力であると評価を受けて、重宝される

特定分野の専門性が高い人材は、中途採用で採用しても、即現場で戦力となるので企業にとってはありがたい人材です。そういう人物になれるように、自己研鑽を積むのがよいと言えるでしょう。

・その道のスペシャリストになれる

特定の分野での専門性を高めることにより、その道のスペシャリストになれます。そこまでの能力やノウハウを身に着けた場合には、雑務やゼネラリストの範疇に入る業務をすることなく、プロとして己が極めた道の業務だけやればよいので、スペシャリストの理想をかなえることができます。

・専門性を有するので転職活動が有利に働く

特定分野の専門性を有している人材は、即戦力として活躍できるので、企業が喉から手が出るほど欲しい人材です。そのため、スペシャリストになるために自己研鑽を積むのは、長い職業人生の中でも有益であると言えるでしょう。

参考出典:

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4. ITエンジニアがスペシャリストをめざすデメリット

・企業内にスペシャリストが活躍できる人事制度が導入されていないケース

就職している企業の人事制度が、ゼネラリスト用のキャリアパスしかない場合は、スペシャリスト以外の業務を求められるため、スペシャリストは日々ストレスがたまる環境だと言えるでしょう。それは、その企業にスペシャリスト用の人事制度が無いため、スペシャリストに正当な評価をしてくれないからです。その場合は、思い切ってスペシャリストの専門性を評価してくれる企業に転職した方がよいかもしれません。

・専門性のあるスキルが時代とともに陳腐化される可能性がある

生成AIの出現や技術革新により、特定の専門分野で活躍しているスペシャリストの需要がなくなる可能性があります。自分の職業人生という長いスパンの勉強を経て身に着けた専門知識が、IT業界のトレンドの転換などで陳腐化する可能性があると言えるでしょう。

・企業によってはゼネラリストの仕事を求められるというミスマッチ現象がある

従来型のジョブローテーションを行っている企業では、スペシャリストであるにも関わらず、ゼネラリストの仕事を頼まれることがあります。この現象が、スペシャリストだけではなく、企業にも悪影響を及ぼす可能性があります。それはスペシャリストの方が特定の専門の知識を有していても、ゼネラリストが持っている幅広い知識を持ち合わせていない可能性があるからです。この様なミスマッチを避けるためにも、スペシャリストの方は、求人サイトを活用して転職活動をするのも1つの手段だと言えるでしょう。

参考出典:

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PERSOL

5. ITエンジニアのスペシャリストが活躍できる環境とは

・スペシャリストにあった給与体系の導入がなされる企業を探す

スペシャリストとして企業で活躍するためには、ジョブ型採用(職務内容で人材を採用する制度)の給与体系および評価制度を採用している企業を自分で探さなければなりません。ゼネラリスト養成型の企業にいるスペシャリストは、求人サイトに登録をして良い企業を探すのも1つの手段です。

・スペシャリストの職種限定の企業を探す

各部署を数年ごとに経験していくジョブローテーションを採用している企業はゼネラリストを求めているので避けましょう。求めている仕事とミスマッチが起きてしまわないように、中途採用面接のときに、よく業務内容については質問をしておきましょう。そうでないと、労使ともに求めているものが合わない事態に陥ってしまいます。

・派遣会社にスペシャリストとして登録する

企業に会社員として属さなくても、スペシャリストとしての技術が卓越しているので、派遣会社に登録すれば派遣会社が案件を取ってきてくれます。会社に属さないことで、雑務やマネジメントに追われることが無く、スペシャリストとして案件に専念できるので、これも1つの生き方ではないでしょうか。

まとめ

今回の記事では、1. ITエンジニアのスペシャリストとは、2.ITエンジニアのスペシャリストの職種、3.ITエンジニアがスペシャリストをめざすメリット、4. ITエンジニアがスペシャリストをめざすデメリット、5.ITエンジニアのスペシャリストが活躍できる環境とは、について考察してきました。生成AIが普及している今、生き残りをかけて、スペシャリストをめざすのも防衛手段の1つであると言えるでしょう。今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

参考出典:

ProEngineer

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参考図書:

ITエンジニア働き方超大全 小野歩 日経BP社