はじめに

いつもご愛読いただき本当にありがとうございます。咲くキャリ情報局です。

今回の記事では

1.50代エンジニアをとりまく人生環境

2.50代エンジニアが活躍できる職種

3.現場が求める50代エンジニアの人柄

4.50代エンジニアの転職市場でアピールできる価値とは

について上述の視点で詳しく見ていきたいと思います。

今回は50代エンジニアの特集を記事にしました。これから数回は年代別の記事を続けていきたいと思います。今回も最後までお付き合いいただければ幸いです。

1.50代エンジニアをとりまく人生環境

50代エンジニアの方々は、専門学校、大学などの学校を卒業して、約25年以上はITエンジニアとしてのキャリアを積み重ねていらっしゃいます。この50代エンジニアの方々を敬意をもって、シニアエンジニアと表現することができます。

では、この50代エンジニアをとりまく人生環境とはどのようなものでしょうか。この世代は、クリスマスケーキ理論(25歳を過ぎると結婚が難しくなるという仮説)が流行ったため、男女問わず結婚をせかされた時代に50代エンジニアは生きてきました。ですので、早く結婚したいがために、20代前半から30代前半で結婚された方も多かったと言えるでしょう。それを踏まえると、この世代において、直面している「超ハードな人生」の要素とは次の通りです。それは住宅ローン、子供の教育費、老後資金のための貯蓄などです。

その一方で、今50代の方の生涯未婚率も見逃せない事実です。生涯未婚率とは、「45歳~54歳までの人の未婚率を平均して50歳のときの未婚率を算出した数値のこと※1」です。国立社会保障・人口問題研究所の「人口統計資料集(2023)改訂版」によると、生涯未婚率は上昇しており、2020年には男性が約28%、女性が約18%と過去最高になりました。結婚しない選択肢を選んだ方々もかなりの割合でいらっしゃいます。こちらの方も、頼れる家族がいない、老後資金の貯蓄、孤独死の問題など、やはり「超ハードな人生」でいらっしゃるのは間違いないと言えるでしょう。これらの両者とも、お金を1円でも多く貯金したい世代だと言えるでしょう。

ここまでは、プライベートでの50代エンジニアが直面している課題について触れてきました。

では、仕事の面では50代エンジニアはどのようなキャリア環境で働いているのでしょうか。それは、今在籍している企業が、50代エンジニアを年齢で差別してくるという事実があります。この年齢差別を転職によって解消しようと思っても、50代エンジニアの転職市場でも年齢による差別は明らかに存在するのです。50代エンジニアにはシニアエンジニアとして、実績や経験があるにもかかわらず、年齢差別を受けているのは事実だと言えるでしょう。ですが、50代エンジニアには長年の経験により積み重ねた問題解決能力があります。すなわち、技術的な問題に直面した場合、今までの経験から解決パターンを導き出すことができるのです。これは若手には出せない能力です。

また、数々の経験から若手エンジニアに対するメンター(助言者)の役割を果たすこともできます。

さらには、最近では50代のシニアエンジニアを取り巻く環境が少し異なってきています。片山良平氏によれば、生成AIの台頭により、コードを生成AIが作成して、シニアエンジニアがレビューして管理や運用を行っていけばよいというトレンドが発生してきています。

ですので、本人のやる気、能力、選択次第で、50代でもエンジニアとして第一線で仕事をすることが可能になってきています。それでは50代エンジニアに対して具体的には、どのような職種での活躍を求められているのでしょうか。次章以降で詳しく見ていきたいとも思います。

参考出典:

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ENGINEER CLUB

みんなの転職体験談

※1はCross Marketingから引用

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総務省統計局

2.50代エンジニアが活躍できる職種

・ITコンサルタント

IT技術を用いて、顧客の持っている問題の解決を行う人をITコンサルタントと言います。このITコンサルタントは自身が持っている深い専門性を活かして、ユーザー目線を大事にしたシステムの提案をクライアントにします。また、若手のエンジニアや若手のコンサルタントを養成していくのも仕事内容にふくまれます。

・管理職、経営者

管理職とは、エンジニアが現場から離れて、部署を統率して、チーム全体の人材や予算の管理などの役割を果たす人のことです。管理職はポジションにもよりますが、会社経営に携わる人のことです。管理職になると、ビジネススキルやコミュニケーション能力が求められます。

ここで言う管理職のメリットとは、①給与が高い、②ITの新技術を学び続けなくても良くなるなどが挙げられます。一方デメリットとは、①ITの新技術を学び続けないで働けるので、役職定年が来た時にエンジニアに戻ることが難しいなどが挙げられます。

・プロジェクトマネージャー(PM)

プロジェクトマネージャーの仕事とは、プロジェクトの責任者として目標達成をするために、プロジェクトの上流工程から完成・成功までの責務を負う役割のことです。

プロジェクトマネージャーが担う具体的な役割は多岐にわたります。①プロジェクトチームの編成、②プロジェクトの予算や進捗状況の管理、③プロジェクト計画の策定、④必要な人員・リソースの調達、⑤業務のサポートなどが挙げられます。

・エキスパート

エキスパートとは特定の分野において、高い専門性や多くの経験などを活かした専門家のことです。50代エンジニアが既知の分野における専門性を高めることで、開発現場での市場価値を高めることができます。

また、新しい分野で研鑽を積むという前向きな姿勢を持つ50代エンジニアは、周囲から大切にされる人物となりえるでしょう。年齢差別を解消するには、この2つのポイントを押さえることが重要です。

この2つのポイントを押さえた上で、管理職と若手結ぶクッションのような役割を担う50代エンジニアが重宝されるのは間違いないでしょう。

・フリーランス

50代エンジニアは組織に属さずフリーランスとして働く方も増えてきています。

フリーランスとして活躍するには、①自己アピール能力、②シニアエンジニアとしての経験や知識、③自己管理能力の3つの能力が求められます。

フリーランスのメリットとしては、リモートならば、会社内ではなく好きな場所で働ける、希望する仕事や条件を得られる、企業内で技術職として働くより高い給料が得られるなどが挙げられます。逆にフリーランスのデメリットとしては、現場で高い専門性や技術力が求められる、自己アピール能力を身に着けていないと案件が獲得できず無収入になるなどが挙げられます。

参考出典:

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ENGINEER CLUB

みんなの転職体験談

Lychee RDEMINE

OBPM NEO

3.現場が求める50代エンジニアの人柄

・周囲の意見に、聞く耳を持っている人

50代エンジニアは、たくさんの知識を持ち、たくさんの経験をしてきています。ですので、新しい技術を取り入れたり、お客様や若い人の意見に対して、50代エンジニアの中には自らの知識や経験を最優先にして聞く耳を持たなくなってきている人がいます。ですが、IT業界はAIを始めとして技術の日進月歩が起こっているため、過去の経験や知識が役に立たなくなることも少なくないです。ですので、50代エンジニアが市場から淘汰されないためにも常に周囲の意見に効く耳を持つようにしましょう。

・プロジェクトメンバーを大切に思うことができる人

プロジェクトマネージャー経験がある50代エンジニアが、プロジェクトメンバーである現場のエンジニア・プログラマーを大切に思うことが、プロジェクトを成功させる秘訣になってきます。すなわち、現場でのコミュニケーション能力が高い50代エンジニアはIT業界内において需要が高いと言えるでしょう。

・年齢を言い訳にしない人

自分自身のなまけ心から、もう新しい技術を学びたくないとの言い訳をする人は、市場価値が低いと見られても仕方ないと考えるのが妥当でしょう。ITエンジニアに限らず、職業人は常に新しい技術や知識を学ぶ必要があります。

・リスキリングができる人

アラフィフだからと年齢を言い訳にせず、リスキリング(職業能力の再教育)ができる方は市場価値が高いと言えるでしょう。今までのスキルや経験の上にリスキリングで新しい技術が身につけば、転職しても企業は好待遇で迎えてくれるので、待遇や立場の面で仕事に困ることが無くなっていくでしょう。

参考出典:

ENGINEER CLUB

4.50代エンジニアの転職市場でアピールできる価値とは

・マネジメント経験の有無

50代エンジニアが市場にて生き残りをかけるならば、マネジメント経験の有無が最大のポイントとなります。プロジェクトにおいて、マネジメントの経験がない場合は、若手のエンジニアと同様、コード作成に携わることしかできません。正直、気力や体力が充実している若手に比べて、50代エンジニアに同じ役割を求めるのは体力の面からも酷なことです。ですので、50代エンジニアはご自身のキャリアの内、できるだけ若い時にマネジメントの経験を積むことが重要です。

・若手を活かす

若手のジュニアエンジニアは体力も気力も充実しています。そこで、若手のジュニアエンジニアに対して的確な指示を示した上で、基本的なコードを生成してもらいます。そして、50代エンジニア(シニアエンジニア)は、ジュニアエンジニアが作成したコード、またはAIが生成したコードをレビューするという仕事のスタイルを目指すのが最適解だと言えるでしょう。

・人生経験を活かしたコミュニケーション能力

大規模なプロジェクトではチームメンバーが10人以上で構成されます。ここでの50代エンジニアの役目とは、プロジェクトマネージャーになります。プロジェクトマネージャーは、プロジェクトオーナーに交渉を行ったり、スケジュール管理したり、また明確な指示を示した上で、プロジェクトメンバーにコードを作成させます。ここで重要なのは、50代エンジニアがプロジェクトの構成員に対して、上手なコミュニケーションを行っているかどうかです。コミュニケーション能力が高い50代エンジニアが在籍しているプロジェクトは、お客様のニーズに応えた理路整然としたプロジェクトを作ることができます。そういった意味でもコミュニケーション能力は非常に大切な要素だと言えるでしょう。

まとめ

今回の記事では、50代エンジニアを取り巻く環境として

1.50代エンジニアをとりまく人生環境

2.50代エンジニアが活躍できる職種

3.現場が求める50代エンジニアの人柄

4.50代エンジニアの転職市場でアピールできる価値とは

について詳しく見てきました。50代エンジニアが納得のいく職を得る方法としては、マネジメント能力、高いコミュニケーション能力、リスキリング、プロジェクトオーナーや若手エンジニアの意見に傾聴できるか、などの要素が挙げられるでしょう。今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました。