はじめに

いつもご愛読ありがとうございます。この記事では1.DXとは、2.DXを行った方が良い理由、3.DXの実際の導入例について考察していきたいと思います。最後までお読みいただければ幸いです。

1.DXとは

DX(Digital Transformation)とは、経済産業省の「デジタル・ガバナンスコード2.0」によると、「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」をさします。

わかりやすい言葉で置き換えると

DX推進とは、デジタル技術(生成AI、IoT、ビッグデータなど)の活用によって企業風土やビジネスモデルの変革を行い、企業の競争力を向上させる取組を推し進めることです。単なるデジタル化と違う点は、デジタル化は既存のものをデジタル化するという「やり方」を変えるだけですが、DXはデジタル技術を使用して企業風土やビジネスモデルの変革を行い企業の「あり方」そのものを変革することです。

参考出典:

FUJIFILM

PreSTUDY

GMOクラウドEC

2.DXを行ったほうがよい4つの理由

この章では、 DXを行ったほうがよい4つの理由について考察していきます。

2.1 経済産業省によるDXレポートの発表

経済産業省が推進するDXレポートとは、企業が直面しているDXの現状と課題、そしてその解決策について、その進歩と方向性を示す重要な指針です。経済産業省のDXレポートは2018年から2022年までに計4回発表されました。

「DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~」「DXレポート2(中間取りまとめ)」「DXレポート2.1(DXレポート2追補版)」、「DXレポート2.2(概要)」の4種類存在します。この4種類で挙げられている課題は下記の通りです。

・2025年の崖

→2025年の崖とは、2025年前後において、多くの企業の業務で使われている既存のITシステムが、老朽化・ブラックボックス化・肥大化・複雑化などによって使いづらくなり、企業の競争力を低下させ、経済損失をもたらす問題のことです。これらに対応できなければ、企業の競争力は低下すると考えられていて、2025年以降、最大で年間12兆円の損失をもたらす可能性が指摘されています。

・レガシー企業文化からの脱却

→レガシー企業とは、レガシーシステムを抱えている企業のことです。このレガシーシステムとは、古い技術や仕組みで構築されているために、進化し続ける新しいビジネステクノロジーに対応できないおそれがあるシステムのことです。また、レガシーシステムを放置することは、コストの肥大化、生産性の低下、セキュリティリスクの増大、業務が複雑になり属人化などの問題を抱え続けることになります。

・ユーザー企業とベンダーの依存関係とジレンマ

→既存産業の業界構造は、ユーザー企業は委託による「低コストの実現」を、ベンダー企業は受託による「低リスク・長期安定ビジネスの享受」という一見、両社に良好な関係性にも見えます。しかしながら、レガシーシステムなどによって「経営の柔軟性が低下する」、「自社のIT対応能力やIT人材が育たない」、「実行可能なツールやシステムが制限される」というジレンマに陥る可能性があります。これらを解消しない場合は、多くの場合、両者はデジタル時代において必要な能力を獲得できず、結果として「デジタル競争で勝ち抜けない」という事態に陥ってしまいます。

・デジタル産業への変革

→デジタルを、省力化・効率化ではなく、収益向上にこそ活用すべきであることが重要だとする概念です。具体的には、経営者自らの価値観を「デジタル産業宣言」として外部へ発信させることをめざす考えです。デジタル産業宣言により、デジタルに長けた人・企業が互いを見つけやすくして、相乗効果を加速させる狙いがあるのです。これにより、デジタル競争を勝ち抜くことができるようになります。

参考出典:

ワクフリ

三井住友銀行

Monsterlab Blog

STANDARD

DX総研

三井住友銀行

総務省

経済産業省

株式会社日立ソリューションズ・クリエイト

MakeLeaps

Digital Business Sherpa

DX総研

NIKKEN TOTAL SOURCING

クラウドERP実践ポータル

3.DXの実際の導入例5選

この章では実際にDXを推進した事例を5社ご紹介していきたいと思います。DXについての各企業の考え方、および実際の導入例について考察していきたいと思います。

ファミリーマート

→公式サイトによれば、ファミリーマートのDX推進とは、近年の技術の進化によりデジタル化等の社会の変化が、人々の働き方やファミリーマートの店舗の在り方だけでなく、物販や小売のあり方に変化をもたらすということをさします。そのDXの具体例の1つが、ロムテンの導入です。ロムテンとは外国籍従業員を雇用する雇用主向けに開発されたサービスのことです。加盟店における外国籍ストアスタッフ雇用時の手続きならびに労務管理の負担の軽減につなげることができました。また外国人従業員が配置されたことにより、外国人の旅行客へのサービス向上につながって、企業の在り方そのものが良い方向に変わったことが挙げられます。

三菱地所

→公式サイトによれば、三菱地所のDX推進とは、より暮らしやすくなるようなまちづくりを目指す「三菱地所デジタルビジョン」を策定することです。これは、ユーザーがオンライン・オフラインを自由に行き来できる環境を整備し、その体験を通じて蓄積されたデータを、各種サービスの開発・最適化という形でユーザーに還元することです。具体例の1つが、「Machi Pass」の導入です。これにより、まちで提供される様々なサービスに、「Machi Pass FACE」などでログインして、利用履歴や位置情報などのデータに基づいて最適化された情報やサービスを、希望に応じて受け取ることができます。つまり、まちの在り方そのものを変革していくサービスになっています。

パナソニック

→公式サイトによると、パナソニックグループでは、DXへの取り組みを「Panasonic Transformation(PX)」とし、ITシステム面の変革に留まらない、経営基盤強化のための重要戦略として推進しています。具体例をあげれば、DX総研によれば、電動シェーバーであるLAMDASH(ラムダッシュ)のモーター設計に生成AIを活用しました。生成AIが設計したモーターは、熟練技術者による最適設計と比較して出力が15%UPし、品質向上を実現でき、開発時間やコストの削減につながりました。今後はAIなどの最先端技術を取り入れながら、企業の在り方である事業戦略の基礎となる業務・プロセス・カルチャーそのものの変革を行っていくそうです。

JINS

→公式サイトによると、DX=デジタルトランスフォーメーション。それは、単に利便性を高めるための施策ではなく、新たな体験や価値と出会うための、未知の扉~中略~デジタルは、手段。動かすのは、私だ。と掲載されています。具体例を挙げれば、DX総研によると、ユーザーが試着したメガネの似合い度をAIが判定する「JINS BRAIN」というサービスがあります。お店に来なくてもメガネの似合い度を判定できるので、実際にメガネを作る際には、お店の中でメガネを探す時間がかなり短縮にされます。これにより、より多くのお客様との対応事務が減り店舗の在り方そのものが変化していくと言えるでしょう。

第一三共

公式サイトによると、DX推進のため、2030DXビジョンを掲げ、新薬における創薬から臨床開発、サプライチェーン、販売・情報提供までの一貫した製薬バリューチェーン全体をDXにより革新し、一人でも多くの患者さんに1日でも早く新薬を届けるための取り組みを行っているそうです。具体的には、DX総研によれば、AIとビッグデータにより、約2か月という短期間で大量の良質な新薬候補化合物の創出に成功したそうです。これにより、新薬開発コストが下げられたことにより、多様なデータや先進技術を活用し一人ひとりに寄り添った最適な健康・医療サービスを提供する ”HaaS(Healthcare as a Service)”の実現を目指してDXに取り組むことができるそうです。

参考出典:

DX総研

まとめ

この記事では今更聞けないDXとは?について、1.DXとは、2.DXを行った方がよい例、3.DXの実際の導入例について見てきました。DXとは、デジタル技術を使用して、企業や世の中の在り方さえも変えていくことだと考えられます。変わっていく世の中に対応するために、デジタル技術を用いるユーザー側も、苦手と言わずに上手にデジタルを活用していかないと世の中の変化に対応できなくなります。まずはスマホの操作から取り組んでみてはいかがでしょうか。最後までお読みいただきありがとうございました。