はじめに

 フリーランスでお仕事をしていると、会社員時代には無かった様々なリスクに直面することがあると思います。この記事では、そのリスクを3大リスクに分類をして、その具体的な解決方法についても見ていきたいと思います。

1.フリーランスが陥りやすいリスクと、そのリスク管理方法について

この章では、フリーランスの方が陥りやすいリスクとそのリスク管理法について紹介してみていきたいと思います。

1.1事業リスク(Business Risk)

事業リスクとは、フリーランスの方が事業を行っていく際に陥る可能性のあるリスクのことです。下記にQ&A形式にしてみていきます。

①案件の獲得ができなくて無収入になることもある。

→自身で行う営業活動を増やしたり、エージェントを活用する。

②クライアントの都合で契約を解除されてしまう。

→クライアントによる突然の契約解除に対応するために、口頭契約ではなく契約書をきちんとかわす。ただし契約書をきちんと交わしていても突然のキャンセルをされることもあるので、突然のキャンセルで収入減するのを見越して、あらかじめ複数の案件を同時進行しておく。

③案件が欲しいため低単価での承諾せざるを得ないこともある。

→フリーランスの方の成長過程では、どうしても低単価での受注が起こってきます。それに対応するには、A:フリーランスのエージェント(クライアントとフリーランスの方の仲介役)を活用する、B:自らの営業の際に過去の実績やスキルを提出して自分の現在のレベルをクライアントにアピールしていくことが重要です。

④クライアントの設計変更などによって長時間労働になってしまう。

→長時間労働があまりにも続く場合には、契約時からお世話になっているフリーランスのエージェントを活用してクライアント企業に是正をお願いする。

⑤会社員と違いスキルアップの機会や学習も自分自身で何とかしていくほかにない。

→フリーランスの方は企業に属していないので自己負担で研修会や、プログラミング言語などのスキルアップができるWEB講習会を受講してスキルアップを図る必要があります。

⑥雑務の事務作業が増えた

→請求書の作成・送付、確定申告などの税務処理は税理士を活用する、一方、契約書の締結など、時間も手間もかかる事務作業の一部を頼むためにフリーランスのエージェントを活用する。

参考出典

Zenn

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ITプロマガジン

freedash

内閣府

内閣官房日本経済再生総合事務局

サックルMAGAZINE

中小企業庁

フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン

Workship MAGAZINE

note

ITプロマガジン

1.2業務リスク(Business Trouble)

業務リスクとは、フリーランスの方とクライアントとのトラブルなどのことです。

こちらの業務リスクを管理していくためには、フリーランスのエージェントを活用するのが一番確実な道だと言えるでしょう。もちろん仲介手数料などの費用がかかりますが、案件を終了したのに賃金が支払われなかったなどの「大きなリスク管理の不安」を考えた場合には、エージェントの仲介手数料を保険だと思って活用していくのも1つの手段です。

それでは業務リスクとその管理法についてQ&A形式で見ていきましょう。

①口約束で仕事を請け負ったことで、案件が終了しても賃金が支払われなかった。

→このような事態に陥らないためにもフリーランスのエージェントを活用して、口約束ではなく契約書を実際に締結する。

②パワーハラスメントにあった。

③セクシャルハラスメントにあった。

④マタニティハラスメントにあった。

→A:業務に入る前に契約を締結してくれるフリーランスのエージェントを活用する、B:エージェントを活用しなかった場合は、ハラスメントの度合いにもよりますが、あまりにひどい場合は、フリーランス・トラブル110番に相談してみる。

また、契約締結にフリーランスのエージェントを活用した方がよい事例は下記の通りです。

⑤クライアントと契約をきちんと締結していたが、納期など契約条件の一方的な変更にあった。

⑥クライアントと契約をきちんと締結していたが、一方的に契約を破棄された。

⑦フリーランス側に落ち度はないのに成果物の受領を拒否された。

⑧成果物を通常相場に比べで、不当なくらい低すぎる報酬の額にされてしまった。

⑨フリーランス側に落ち度はないのに、成果物を納品したら理由なく返品をされてしまった。

⑩フリーランス側に落ち度はないのに、仕様変更や、やり直しの作業を命じられた。

⑪クライアントから一方的にフリーランスの方が案件に携わったことを公表してはいけないと言われた。

⑫業務に不必要な商品の購入をしないと案件を継続しないと言われた。

⑬クライアントに協力金を支払うように言われたり、契約の範囲外のサービス(発注内容にないデザイン作成やシステムの追加開発)を求められた。

⑭クライアントから「業務で得た知見やスキルという教育コスト」があるので、他者の仕事を受けないように言われたり、秘密保持契約の範囲を一方的に決められた。

⑮業務中に発生したフリーランスの方の著作権などの取り扱いを、クライアントが一方的に決めてきた。

以上が、契約締結時にフリーランスのエージェントを活用した方がよい事例になります。

参考出典:

内閣府

フリーランス・トラブル110番

サックルMAGAZINE

フリーランス協会

1.3 ライフリスク(Life Risk)

ライフリスクとはフリーランスの方のライフイベントに関するリスクです。ここで言うライフイベントとは、出産、子育て、教育、子供の就学、就職、失業、退職、病気、介護などの出来事のことです。このようなライフイベントには多額の出費がかかります。このライフイベントに備えるために、会社員ならば会社による法定福利厚生・法定外福利厚生が用意されています。

しかしながら、フリーランスの方については会社による法定福利厚生や法定外福利厚生の対象外です。フリーランスの方のおかれている立場を明確にするために、ここで少しだけ会社員の法定福利厚生や法定外福利厚生について触れておきます。

A:法定福利厚生の制度

→健康保険、厚生年金保険、介護保険、労災保険、雇用保険、子ども・子育て拠出金の6つの制度があります。また、有給休暇や産前産後休暇・育児休暇、介護休暇も法定福利厚生制度に含まれます。これらの制度がセーフティネット(色々なライフイベントによる経済的な困窮などに備える社会保障制度)として、会社員の人生を支えています。

B:法定外福利厚生の制度

→企業が法律の義務範囲以外に従業員の働きやすい環境づくりのために自主的に導入している福利厚生制度です。具体的には、社宅、家賃補助、長期勤続休暇、リフレッシュ休暇、結婚お祝い金、出産お祝い金、慶弔金、災害見舞金、人間ドックの費用、スポーツジムの費用、財形貯蓄制度、確定拠出金制度、テレワーク制度、フレックスタイム制度、在宅勤務制度などがあげられます。

一方、フリーランスの方は、こういったライフイベントに対するセーフティネットが一切ない状況でお仕事をされています。

それでは、セーフティネットがない場合でも多額の出費がかさむライフリスクにはどのようなものがあるのでしょうか。具体的なリスクとそのリスク管理法についてQ&A形式で見ていきます。

①結婚にかかる費用や休暇

→フリーランスの方は、会社員が受け取ることができる結婚祝い金や、結婚休暇などの制度の対象外です。自分で結婚資金をためたり、案件の遂行具合を調整して休暇を作り出すしかないです。

②妊娠にかかる費用や休暇

→会社員は、つわり休暇、傷病休暇、有給休暇を取得することができます。この休暇制度はフリーランスの方には無い制度です。ですので、自分で仕事の納期などをやりくりして病院に行ったり、休日を作るほかないです。ちなみにフリーランス、会社員ともにお住いの自治体から妊婦健康診断の費用助成を受けられます。

③出産にかかる費用や休暇

→会社員であれば出産手当金、出産育児一時金、出生時育児休業給付金、育児休業給付金、出産・子育て応援交付金、乳幼児医療費助成(こども医療費助成)、児童手当などを受け取ることができます。ちなみに、フリーランスの方も国民健康保険に加入して入れば、出産については出産育児一時金、出産・子育て応援交付金、乳幼児医療費助成(こども医療費助成)、児童手当などを受け取ることができます。フリーランスの方は、会社員の方と比べると受けられる公的支援が少なめなので、日ごろから貯金を心がけておくと良いと思います。

④子供の教育にかかる費用

→子供が成長するに合わせて、教育費はかさむものです。それに対応するための学資保険という保険商品があります。ただし、途中で解約すると元本割れをして払った保険料以下になる、インフレなどの物価変動に対応できないなどのリスクもあるのでご自分の人生計画をよく検討してからご利用すると良いと思われます。

⑤病気やケガにかかる費用や休暇

→労働する場合に、健康であることが第一条件です。フリーランスの方やご家族が病気や事故などでケガをした場合には、会社員と同じく民間の医療保険の活用、政府による高額療養費制度、確定申告時には医療費控除などの制度を活用できます。ただし、会社員の場合は、民間の医療保険、高額療養費制度、医療費控除のほかに病気休暇(法定外休暇)を活用できる場合もあります。

⑥親の介護にかかる費用や休暇

→会社員の方は介護休暇を利用できます。フリーランスの方には介護休暇はありませんので、どうしてもの場合、案件の進捗状況を見極めてクライアントに報連相をして、その結果を受けてから、病院付き添いなどをするしかないです。ちなみに雇用保険の被保険者(会社員など)の方は、雇用保険から「介護休業給付金」が給付されます。

⑦定年退職で退職金が存在しない

→フリーランスの方は会社員とは違い、退職金が存在しません。その分老後の資金を自分でコツコツ貯めておくのが得策です。

⑧老後にかかる費用

→老後に2000万円が必要だというニュースが出て久しいですが、朝日新聞の報道によると、最近では単身者で約3,000万円以上、夫婦で約5,000万円以上の金額が必要ともされています。このようなニュースにより、誰しも老後に不安を感じます。フリーランスの方がこれに備えるには、国民年金の払い込みや貯金やiDeCo(個人型確定拠出年金)の活用などが有効だと言えるでしょう。国民年金は将来どうなるかが不安だという意見をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。ですが、特定の病気や事故の際に、国民年金に加入して保険金を収めていると障害年金をもらえる可能性がありますので、支払い忘れには気を付けた方が良いです。また、会社員、フリーランスともに老後に貯蓄が足りない場合は、働き続ける必要があります。その場合ですが、シニア求人も最近では増えてきました。シニア求人向けのエージェントの活用もオススメです。

参考出典:

セゾンのくらしの大研究

ERPNAVI by大塚商会

studyLABO

MoneyForwardクラウド給与

ELEMENT保険

企業実務ONLINE

freee

smeeblog

ソニー生命の学資保険

ほけんの窓口

マイナビニュース

Raorsh~社会人のための情報サイト~

みんなの介護

~介護を楽に~ラクカイゴ

かんたん保険シリーズライトby明治安田生命

朝日新聞Reライフ.net

おわりに

本記事ではフリーランスの方が陥りやすいリスクとして、フリーランスの方が陥りやすいリスクとそのリスク管理法についてみてきました。結論としてはフリーランスの方はエージェントを上手に活用したり、貯蓄に励むことなどが、人生をより豊かな方向に導くために方策だと言えるでしょう。最後までお読みいただきありがとうございました。